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「ぐっはぁっ!!!」
落下した先には床があり、剣が体に刺さらないようにジェイルは着地もとい墜落した。
「うぐぅ……盾と鎧がなかったら危なかったな…」
痛む体に鞭打って立ち上がり、身の回りの確認をする。背中にはいつもつけているマントとショルダーバックがあり、腰には自身の得意する触媒である小型の杖とタリスマンがあった。左腕の盾も無事なようなので、とりあえず周囲の索敵を始めた。
「ジェラルド、そちらは大丈夫か?………ジェラルド?」
ふと気づけば、近くにジェラルドがいない。さらには当然だが、今いる場所が前にいた美術館ではないことも分かった。まず壁の色が濃い灰色になっているし、床は茶色になっている。しかも悪いことに、今いる部屋の構造は迷路にようになっているらしい。
「面倒なことになったなぁおい…仕方ない、方向音痴だけど左手を壁につければ…」
迷路を脱出するべく移動しようとしたそのとき、壁の向こうから歩く音が聞こえたのでとりあえずしゃがんだ。そして壁の向こうから見えてきたのは
「(マネキンーーー!?しかも頭なしーーー!?!?)」
思わず心の中で絶叫してしまうのも無理はない。結構ビビリなジェイルはかなり心臓の鼓動を早まらせつつ、剣を抜いた。
「俺の剣に斬れないものはない…!」
一気に壁から飛び出し、マネキンの胴体を右から薙いで、左からの斬り返しで両足を断った。斬られたマネキンが地面に崩れ落ちる。
「やっぱり倒せるか…よかった。じゃあ脱出をおおうっ!!?」
地面に落ちたマネキンに注意をそらされていたので気づかなかったが、いつの間にか狭い通路の前後を囲まれていた。
「いいいいいぃぃぃやあああぁぁぁぁぁ!!!」
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