不気味な美術館へ…

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 とりあえず前方のマネキンを斬り倒し、左手を壁に当てながら疾走する。  ときどき別のマネキンが飛びだしてくるが、そんなものもろともせずに突き進んでいく。  あっという間に迷路のほとんどを制圧し、やっと見つけた黄緑の扉を一気に開けて中に飛び込んだ。 「はぁ・・・はぁ・・・なんなんだあいつら、あんな魔物初めて見たぞ・・・心臓に悪すぎだろまったく・・・」  飛び込んだ部屋は正方形で、反対側には扉と、その横に黄緑の薔薇が活けられた花瓶と机があった。近づいてよく見てみれば、花瓶の下に一枚の紙が置いてあった。 『必ずお持ちください。この薔薇はあなたと一心同体、この薔薇が朽ちる時、あなたも・・・』 「ほう・・・薔薇がダメージ受けたら俺もダメージ受ける呪いでも掛かってるのか?じゃあもってってもメリットないじゃねぇか・・・」  花瓶をスルーして正面の扉に手をかけた。しかし 「鍵か・・・部屋には落ちてないようだし、さっきの迷路か」  身をひるがえし、再び迷路への扉に手をかける。しかしこちらにも鍵がかかっており、どうあがいても開かなかった。しぶしぶ花瓶の薔薇を手に取ると、扉からカチャッという音がした。やはり鍵が開いている。 「強制かい!まぁ必ず持ってけってことだったな・・・仕方ない」  薔薇をバックにしまい、扉を開いた。すると向こうに何かいるのが見えたので、相手が気付く前にぶった斬ってやろうと剣を抜いて飛びかかった。しかし扉の向こうにいたのは 「きゃっ!?」
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