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どうして自分がこうも機械を好きなのか、実はよくわかっていない。
それでも最初はただ、両親に喜ばれる事が嬉しかったのは覚えている。
オレの両親がどんな人だったのかはわからないけれど、別に悪い人たちではなかったと思う。ただ共働きってやつなのか、家には大体オレ一人だった。
かわりに玩具はたくさん与えられた。
積み木なんかもあったし、ぬいぐるみもあった。だけどそういったものにはあまり関心はわかなくて、ぜんまいであったりラジコンであったりと、動くモノがもっぱらお気に入りだった。
ある時珍しく家にいた父親に、これはどうして動くのかとぜんまい式の玩具を持っていった事がある。
父親は少し考えてから、オレにいくつかの工具を与えると自分で調べてごらん、と言ったきり自分の仕事に取りかかった。
オレはネジの回し方だってよくは知らなかったけど、言われた通り自分で玩具を分解して中身を調べてみた。
そして凄く感動したのだ。
その発見がなんだかあまりにも嬉しかったから、普段は自分からは話しかけもしない母親に、嬉々として報告した。
母親は最初はきょとんとしていたけれど、にわかに嬉しそうな顔に変わり、凄いね、偉いねと誉めてくれた。
その母親の表情と言葉は、正直あんなに嬉しかった発見よりずっとずっと嬉しいものだった。
その日の夜には母親から話を聞いたのか、父親からも誉めてもらえた。
頭を撫でる大きな手は、すごく温かかった。
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