疑惑の目

5/34
前へ
/308ページ
次へ
 あれから直接会って話したのは数回。  しかも、それ以来長く喋ってはいない。  特に会話もない。  この前屋上で会ったとき、またしても二葉さんは隣に座った。  ……如月と一緒に。  (もしかしたら原因はこれにあるのかもしれないけど)  そのとき、何の気無しに『幽霊の友達って多いの?』と訊いた。  なんとなく気になっただけ。  『それが? 少なくとも生きてるほうはいないけど』  『……なんつーか、どっちも問題だよな』  ある程度予想していたとはいえ、改めて聞かされると呆れた。  本人はこの問題を全く意に介してないみたいだ。  別にこっちが心配する必要はないけど、ついつい気にかけてしまう。  まあ、なんでかというと。  じゃあ、その滅多にいない友達になれないかな、とおもった。  なんとなく、というか漠然としていて何が言いたいのかわからないけど。
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加