疑惑の目

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 「聞いて驚くなかれ!」  「ほらきた……」  そんなことだとおもった。  東は両手でプリントを持ってこっちにきていた。  見せびらかしにきたのか。  「ほらっ!」  そこには三枚の解答用紙。  中間テストの数I、英語、古典だった。  ………………おいおい。  「すごいな」  と言いながら英語のほうを取る村上。  「94点か。自慢するだけある」  「……………………」  「でしょ? 二人はどうだった?」  「平均以上だ。一応」  村上は東に対抗するかのように、空の弁当と入れ代わりに出した。  「村上もすごいな!」  部活やってるやつでもこんなに点数取れるのか、と関心した。  部活のなかでも野球部に対しては、結構練習がハードなイメージがあったんだけど。  しかし、そうなると。  「神楽は?」  呼び捨てだった。  でも案外悪くない。  朝にこの件に関して話したので、意外とスムーズに受け入れられた。  やっと友達と認識したみたいな、そんな……「神楽は?」  「…………………………」
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