疑惑の目

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 進学校にくる人は、みんな頭がいいんだろうか。  それこそ部活をやっていても、支障の出ないほど。  村上も東もこっちを見てる。  現実逃避はほんの数秒しか許されなかった。  「全部平均以上。でも、全部東より下。古典は村上と同じだな」  口頭のみ。  やけくそ気味。  「ほ~」  口が埴輪になる東。  「なんだその感想」  「へ~」  「………………」  イラッとした。  「ちづる~。いる?」  振り向くと、教室のドアに誰かいた。  「いるよ!」  そのまま第三者の方に歩いていった。  消えてくれて助かる。  「神楽もすごいな」  鞄にしまいながら言う村上だけど。  「そっちのほうがすごいと思うけどな」  時間も勉強量もわからないが、俺と同じくらい取れてるのはスゴいことだ。  赤点だけでなく、平均点もクリアしてるんだから。  充分すぎる。
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