目がゆく

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 前に全員で捜したときには、すぐには見つからなかった草むらだった。  中山はすぐにボールを取ってグラウンドに戻り、試合終了の挨拶をしなくちゃいけない。  急いでボールを取り、みんなのところに行かなくてはいけない。  そう思ってボールを取り、走りだそうとしたら。  ガサッ……。  何か音がしたけど、それよりも手の感触が。  「うぇっ。気持ち悪っっ」  ボールと一緒に黒い髪の毛がくっついていた。  嫌々ながら、取り除いて。  さっきガサッとした音のほうを何気なく見てみると。  「ひッ…………」  目があった。  「くっ……首…………」  おもわず腰が抜け、しりもちをつく。  首が……目を見開いて。  「……い…………いた……い」  「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああーーー!!!」
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