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「……………………」
自転車を漕ぎだして間もなく、道路の端にソレはいた。
ただコレが幽霊かどうかは、はっきりとはしない。
この前幽霊の子供達にあったばかりだが、姿形が視えた彼らとコイツは違った。
かといって如月や貞子さんの例もあるけど。
今目の前に存在しているのは茶色い煙のようなもので、人ほどの高さと横幅だ。
なおかつ、周りの景色がゆらめいている。
普通なら驚くところだが、この前の一件以来もう慣れてしまった。
二葉さんは、最近幽霊が多いようなことを言っていたが、確かによく視るようになった。
本当は短期間に多くの幽霊に遭遇し、会話までしたせいかもしれないけど。
「はぁ~」
おもわずため息をつく。
これが俺の望んだ日常なんだろうか。
とりあえずコレは無視だ。
幽霊だろうがなんだろうが、今はそんな場合じゃない。
漕ぐスピードを上げて、すぐ横を通り過ぎていった。
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