春霞に見えた景色

2/7
前へ
/34ページ
次へ
「えー、今日の社会はな…」 昼飯の時間まであと40分。 教室の窓際の一番後ろに座っている彼、上条龍斗は、短くも長く感じる憂鬱な授業を上の空で聞いている。 耳にピアス、ラウンドムーヴの軽いパーマが掛かった黒髪に着崩した学ラン…… 明らかに生活態度が荒れている。 教師嫌いで有名な彼だが、今の時期は受験が控えているので将来の為にも、ちゃんと授業を聞かなくては成績が落ちてしまうから必死だ。 そこのところは真面目。 しかし担任の受け持つ教科である社会はあまり好けなかった。 教え方が下手だから、参考書で調べたりして自学をする。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加