春霞に見えた景色

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いつもは教科書に沿っていくだけのつまらない授業だったが、今回はちょっと違った。 「お前達にとっておきのメニューを用意した!」 (どーせ…ミニテストとかそんなもんだろ…) 俺はやらねぇ、と小さく呟いて再びグラウンドの方を見る。 外では体育をやっている生徒達で賑わっていた。 「そのメニューを言う前に、だな…今朝のニュースを見たか?」 「あっ!俺見た!歴史のやつだろ!?」 「なにそれ~…私知らなーい」 反応は人それぞれで、担任の言う社会に関する内容のニュースを今朝、見た人は一人しかいなかった。 「よし、知っている奴は黙ってろよ!今からコレを配る。気付いたことをどんどん書け!」 はい、と前の席に座っている生徒から渡されたのは五枚の紙。 どれもコピー用紙にカラー印刷されており、見やすい絵がそこにはあった。 (なんだこれ……) 楽坐の座り方をした、よく見慣れた武家の肖像画が描かれている。 絵柄自体はよくあるものだが… 他と違う部分がある。 奇妙…なのだ。
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