接触

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「今日は街をぶらり観光だな。調べたいこともあるし」 あくまでもこのシアノス諸国に来たのは第三の霊獣『神眼』ディアナを求めてだ。 ここの居心地の良さも捨てがたいが、やはり最優先で霊獣を見つけて、次の国へ行かないといけない。 「そうか。観光するならこのジュエル・シティは最高の観光地だと思うよ。それにぼちぼち氷艶祭(ひょうえんさい)も近いしね」 「氷艶祭?」 聞きなれない言葉に、アリエスが箸をくわえたまま首を傾げる。 「氷艶際とは魔法を使って組み上げた雪の造物をいかに美しく作れたかを競い合う大会だよ。多くの客が集まることから多くの屋台も出ていつの間にか祭になっていたってわけさ」 数百年前から続いているこの氷艶祭は、元々当時の国王が退屈しのぎに国民に造物を作れと命じたことがきっかけだった。 無数に作り上げられた雪と氷の結晶はあまりにも美しく、当時は国王だけでなく作り手である国民たちも一緒になって盛り上がったと言われる。 それが毎年恒例行事となり、今となってはこのシアノス諸国が誇る最大の祭となっているわけだ。 「うぉ!それは是非見ていかねぇとな。けっこう規模でけぇの?」 「もちろんだよ。このジュエル・シティ全土で行われるからね。祭の規模だけならヴァリエス帝国の帝国祭にも引けを取らないだろう」 「お、お父さん。帝国祭は言いすぎだよ」 と、横から突っ込むアンナ。 確かにヴァリエス帝国の帝国祭は三年に一度行われるだけに、世界最大規模の祭と言われている。 それほどの規模の祭となれば、確かに見モノではあるが、どちらにせよ観光好きのアリエスには無視出来ない。 「氷艶祭はいつからなんだ?」 「あと、2週間もないね。今日が12月2日だから、あと13日後の12月15日だ」 テイルはリビングにあるカレンダーに目を向けて答えた。 確かに15日はしっかりと赤マルがつけてある。
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