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生後間もなく計る魔力計測機と同様のものをどの世界でも使っているだろう。
赤後程度の微々たる魔力から、一流魔導師クラスの魔力まで幅広く計れる計測器がこの世界には存在する。
アリエス自身も生後すぐにその計測器で測られ、魔力量が0だという結果が出ている。
それは対人のみではなく、このような研究や地域特定にも使用されることがある。
DNA情報さえ計測器に登録すれば、現在地を特定することも可能な装置だ。
現在ではヴァリエス帝国の開発のもと携帯電話程度のサイズで持ち運べる計測器も存在し、今現在クラッドのコートの中に入っているものもそれと同様だ。
クラッドは黒いコートのポケットから計測器を取りだす。
手の平に納まる程度のサイズの計測器に指をあてると電子モニターが空中に浮かび上がる。
クラッドは電子モニターの情報を指で捜査しながら、現在地点、すなわち山の麓に指定して測定を開始する。
「ふむ。やはり計測結果は同じか」
電子モニターの曲線グラフはやはり一定のラインから変更していない。
だが、そんな中アリエスがゆっくりと歩を進める。
「アリエス?」
「クラッド。ここはなんかあるぞ?僅かだが変わった魔力の流れがある」
「何?分かるのか?」
アリエスの後に続くクラッド。
すると、アリエスの青い瞳がエメラルドに光り輝いているのが見えた。
「神浄魔法の第三段階『王瞳(おうどう)』だよ。まぁ霊獣が宿ってないから未完成もいいとこだけどな」
アリエスは元々霊獣を使役しない未完成の神浄魔法ならば第四段階まで解放可能だ。
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