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第一段階である防衛重視の術式『聖なる神罰』。
霊獣アンシャルを使役することにより完成系の『天空の覇者』へと昇華している。
第二段階である速度重視の術式『神速の鎧』。
霊獣アポロンを使役することにより完成系の『煉獄帝王』へと昇華している。
第三段階である瞳力重視の術式『王瞳』。
霊獣ディアナにより『神眼』へと昇華する予定。
第四段階である攻撃重視の術式『天罰の帝』。
霊獣オシリスにより昇華。真名は現在不明ともことだ。
そして最後の第五段階。
霊獣の長であり、霊獣全てを圧倒する究極の力イザナギを引きこむことで作動する。
その領域は霊獣たちですら予測不可能とのことだ。
現在アリエスが従えている霊獣はアンシャルとアポロンの二体だけであり、完全開放が可能なのは防衛術式と速度術式のみ。
霊獣使役を考慮しないのであれば攻撃術式である第四段階まで可能だが、今後の戦いではおそらく通用しないだろう。
霊獣を従えてようやく戦いになるレベルの話なのだから。
「この瞳には魔力から神力に至る全ての力の流れが読み取れる。見え方は術者に委ねられるんだろうけど、俺の場合なら魔力の痕跡が色分けされて霧のように見えてるな」
視覚的に魔力の気配が見て取れるということは、すなわち込められた魔力量から属性までの全てが先に分かる。
戦いにおいて相手の魔法が先に読み取れるというのは非常に優勢に回ることになる。
それは戦いの中に身を置いて来たクラッドならば痛いというほどに理解出来るだろう。
「それで?」
「あぁ。今までに見たことない魔力の色だな。こっちの方に跡が続いてる」
と、魔力の痕跡を辿るようにアリエスは雪山の麓を歩く。
すると、木々の中に隠れるようにそびえていたのは洞窟だった。
「こんなところに洞窟が?」
クラッドが眉をひそめて呟く。
そして歩み寄るが、それをアリエスが腕を前に出して阻止した。
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