961人が本棚に入れています
本棚に追加
/347ページ
『煉獄帝王』アポロンは速度重視の霊獣だが、反面攻撃性も非常に高い。
アポロンの力を発動させた時点でアポロンの好戦的な力が一斉にあふれ出す。
それが黄金の炎、煉獄と変化し周囲を飲み込む。
まさに現在の大地は煉獄の海と化している。
更にアリエスの全身も煉獄が走っている。
「さぁ、どっからでも来いよ」
アリエスの挑戦的な視線が上空に浮かぶべリスに向けられる。
その視線と言葉に応えるように空中で雷をまとってるべリスがニヤリと笑みを浮かべる。
バチィと雷鳴を奏でたべリスの姿が刹那の間にアリエスの眼前に現れる。
鋭く突き出された拳をアリエスは首だけを動かして回避する。
だが、雷と化しているべリスは更に速い。
回避されたと同時に背後に回り込む。
だが、爆音を上げた瞬間アリエスの姿が消える。
無論、べリスの拳は空を切る。
「ほら、こっちだってば」
と、声がする上空へ視線を向けるべリス。
そこには黄金の炎をまとったままのアリエスが浮かんでいた。
「ほう、いい速度だ」
「アポロンはもともと速度重視の霊獣だぜ?」
「その割には豪快な力だな」
「こればっかりはアポロンの性格かねぇ。全く無駄な神力使わせるんだよねぇ」
『人の力に頼ってる奴が文句言うなよ』
「愚痴の一つくらい聞けよ。ほら、次こっちから行くぞ」
最初のコメントを投稿しよう!