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アリエスは曖昧に「あ、あぁ」と頷く。
「で、そのソロモン王ってのはどこにいるんだよ?つーかどんな奴?」
アリエスの質問に答えたのはクラッド・アークだった。
「お前もよく知っておろう。神罰派『トリニティ』に所属している『聖王』クラウド様だ」
「く、クラウド!?あいつって冥界の王様なんか!?」
「お前さっきから驚いてばっかだな」
シャノンが小さく笑って呟く。
「いやいや、俺の中で冥界の情報って一年前から変わってねぇから!」
「まぁお前は強くなりさえすればいいよ。情報収集は俺らがやるし」
シャノンが適当に答えると、アリエスは不服そうに唸る。
だが、アリエスに必要なのはまずは力だ。
三王に対応するだけの力がなければ未来はない。
「何にせよ、クラウドは近いうちに合流するだろう。もう一人の神と呼ばれた男だ、相当でかい戦力になる」
「無論だ。あのお方は先代の『聖神の帝』よりもはるかに強かった。何故付き従っていたのか不思議なくらいだ」
「そりゃおめぇ、世の中力だけじゃねぇってことじゃね?」
クラッドの嘆きの言葉に、シャノンはニッと笑って答える。
先ほど「強くなりさえすればいい」と豪語していた男の台詞とは思えぬとアリエスはあえて言葉にしなかった。
だが、その通りなのだろう。
力では圧倒的にクラウドが上の状況でも付き従っていたと言うことは、先代『聖神の帝』という男に強い魅力があったとしか言えない。
王の心を揺るがす程の魅力が、少なくともクラウドには感じられたのだろう。
「で、アリエス。お前ディアナとは接触してんのか?」
「ん?あぁ、ついさっきな」
「そうか。ならアポロンの時同様、発動条件を満たさないといけねぇな」
既にディアナの情報まで仕入れているシャノン。
一年でどれだけの動きをしたのかアリエスは想像も出来なかった。
しかし、自分が一年の期間を霊獣と共に修行していた時間に、シャノンも動いていたのだとどこかうれしかった。
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