再び世界へ

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「はぁ」 小さく息を吐くと、吐息が白く染まり少しずつ消えて行く。 リオズレイン唯一の中立国エルナンド公国にも冬が訪れていた。 寒空は灰色に染まっており、木々は全て枯れ落ち、空気は肌を突き刺すように冷たい。 街を行き交う人々はコートを着たり、マフラーを巻いたり、手袋をつけたりと防寒対策はバッチリだ。 神罰派領土内の太陽の国エルソルでは経験も出来ないであろう光景がエルナンド公国には広がっていた。 そんな中を少年は歩いていた。 背丈は165程。 細身の身体に白い肌、黒い髪に茶色の瞳。 黒いセーター生地の服に黒いパンツ、黒いグローブを着用しており、上着からは赤を基調としたローブを着用している。 寒空を見上げる少年、草間ハルキはもう一度小さく息を吐き、白い立ち登って行く吐息を見上げる。 「ハルキ。どうかしましたか?」 と、ハルキの横を歩く長身の男が声をかける。 180程の背丈には黒いパンツと黒いブーツ。白いシャツと黒いネクタイを緩く巻いており、その上から漆黒のロングコートを纏っている。 コートには銀色の鎖や黒いベルトが巻かれており、非常に特徴的だ。 銀色の長い髪を後ろで高い位置で縛っており、赤い瞳は鋭い。 とても美しい顔立ちをしている美青年は、どこか侍を想わせる風格をしている。
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