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『悪いんだけど、あの修行バカ引き取りに来てくれない?やっと出てきたから』
「アリエスが?」
その名前が出た瞬間、ハルキもバッと視線をリオレスに向けた。
すると、リオレスは小さく笑みを浮かべて答えた。
「待ちわびましたよ。場所は?」
『城のガーデンよ』
「今すぐ行きます」
雲雀の返事を聞かずに、リオレスは携帯を切りコートのポケットにしまいこむ。
「ハルキ、行きますよ」
「はい!」
二人とも、待ってましたと言わんばかりに頷き、無意識な早足でエルナンド王城へと向かった。
純白を基調とした鉱石『フィアライト』で構築された巨大な王城は美しく神々しいものだった。
厳重な出入り口だが、もはや顔パスとなっているリオレスにとってはセキュリティなどあって無いようなものだった。
全てのチェックをパスしたリオレスは真っすぐと王城一階庭にある広場へと向かった。
そこは今は亡き王妃が好きだった花が無数に植えられている花畑となっていた。
ここだけは季節を関係なく花が咲くよう人工的に魔法障壁が貼られている。
そのため、この空間だけはいつも常に暖かい。
そんな空間に、二人の男女がいた。
女性は、背丈は160後半程あり、肩まである銀髪を後ろで縛っていて、碧眼は鋭い。
白い肌に整った顔立ちは、鋭い美しさを持っている。
白いセーターに、青いデニムを着用している。この暖かい空間ならではの服装だ。
彼女こそ、『空間の支配者』こと玖爛雲雀だ。
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