Epi.1

11/24
542人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
――A. 「なんで止めたのよ!!  アイツはあの場でやらなきゃ…っ」 イチの胸ぐらを掴んで すごい剣幕で怒鳴るスコルさん 感情がストレートに 表に出る人なんだね… 「アイツは国王を討つと言って…  政府軍と反乱軍をぶつけて…」 ほとんど半泣きのまま イチの胸ぐらを掴んでる彼女 イチは何も言わない イチだけじゃなくて 陽ちゃんも蓮も何も言わない 「たった一人の野望の為に  一体何人の人々が  血を流さなきゃならないのよ!!」 要するに、 軍同士のぶつかり合いを 避けたいんだね 「僕らがアイツ倒せばいいんでしょ?」 「フレアに敵うわけないじゃない…っ」 蒼いくりっとした眼が 僕を睨んだ その直後に蓮が立ち上がって いまだにイチに跨がったままの 彼女の頬を思いきり平手打ちをした 「…ッ!?」 女性に手を上げるのは 躊躇われるけど… 「御前はオレらの何を知ってるワケ?」 蓮の低い声が部屋に響く 「ヤル前から諦めんナヨ」 「…っ」 「"御前が"オレらに助けを求めタんだ」 「少しは私達を  信じて頂きたいもので御座いますね」 陽ちゃんが眼鏡を クイッと上げながら言う 陽ちゃんから信じろとか 言うなんて思わなかったから ちょっと僕もビックリ 「作戦会議を開きましょうか」 そう言って 陽ちゃんは地図を机に広げる たぶん、この国の地図 丁度真ん中をぶった切るように 青い線がくねくねと描かれてる 「まず、私達が居るのはここ」 地図の真ん中の方 青い線の下を指差す そのまますぅと さらに横に指を動かして 「王宮があるのはここ」 "Deser"って書かれた その場所には 立派なインディアンな王宮の 形が描かれてる 「ツマリこの間で軍ドウシは当たるワケか」 「俺らは二手に別れる」 いつもの陽ちゃんだ ってことはスコルさんは 作戦に入ってないのかな 「ナラ、オレとイチが軍の足止め役にナルカ」 「僕は?」 「俺と雅で  あのフレアとかいう呪術師を叩く  …いいね?カズ」 イチはコクンと頷く 確かに数を相手するのは 全員得意にしてるけど 接近や単体を 特に得意にしてるのは 僕と陽ちゃんだ 「行動は早い方がいい  すぐにでも動きだそう」 .
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!