Epi.1

4/24

542人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
――M. 蜃気楼を追い掛けて 辿り着いた砂漠のド真ん中の街 ひとつだけ やけにキラビヤカな建物が在る コノ街は人の往来が激しく 陽翔が言う通り 砂漠の国の中心街ダトわかる 「あの建物がおそらくカジノ  その前にさっきも言ったけど  まずは水分を確保しないと」 オレの氷を溶かせば いくらか水は出来るが それじゃオレの"魔力"が保たない まとまった水が無きゃ スグにでも干からびそうな暑さのナカ イチはフードを被っているカラ不思議だ 「暑くねェのカ?」 「……」 相変わらず反応スラない 陽翔の問い掛けには 一応の反応はするが オレと雅に対しては一切ナイ 「酒場、"close"って書いてあるよ?  これ開いてないってことだよねっ?」 辿り着いた酒場の 扉に貼り出サレタ紙切れには 赤い字で走り書きサレタ"close" 「酒場はどこよりも  水が手に入りやすいはずなのに」 「商売道具だモンナ?」 「じゃどうすんのっ?  干からびちゃうよっ」 「オマエは少し干からびトケ」 「なんでっ」 五月蝿いカラだ バカ と、言いカケタ時に 陽翔が誰かに話し掛けラレタ 「もしかして、貴方が緋沢さん?」 「…オンナ?」 「誰?」 雅と二人で首を傾げる 陽翔のヨウナ紅い長い髪を ヒトツに三つ編みで纏めたソイツ 「確かに私は緋沢と申します  …貴女は?」 陽翔は初対面の奴相手には 至極丁寧な対応をスル まるで執事カノ様に 「あ、名乗らなくちゃ、ですよね  アタシの名前はスコル  スコル=レットっていいます」 オンナは笑顔でそう言った .
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

542人が本棚に入れています
本棚に追加