Epi.3

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―――A. "ハマル"って森だったっけ? 陽ちゃんは確か 街とか言ってたのに 僕が今居るのは 陽の射し込まない森の中 不気味なくらい 静まり返った中で 自分の心臓の音だけが 嫌に大きく聞こえる 「みんなどこ…?」 みんなの匂いがしない いつから はぐれたのかも わからない こんな森の中で はぐれたら 間違いなく迷子になる もしかして 僕はもう迷子? 出口を探して とりあえず歩き出す 「気味悪いなぁ…」 薄暗くて湿った空気 ひんやりとした風が 頬を撫でていく 腕を擦り合わせながら 一歩一歩道なき道を歩く 「ぃてっ」 ちょくちょく 枝が引っ掛かる っていうか これ方向合ってる? 太陽が見えないから 方角も何も解らないから 自分の居場所が解らない 「あ、登ればいいんだ」 高いところから見渡せば きっと出口が解る 脚に風を纏わせて 高く跳び上がろうと 少し膝を曲げた途端に ――グギャァアァッ!!!!―― 「――!!?」 何かの雄叫びが聞こえて 中腰の状態で固まる 今まで静まり返っていた 森の木々が急にざわめき出す .
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