Epi.1

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三つ編みのオンナは 陽翔の髪色を見て "一緒ですね"と微笑む 「いえ、私の髪は  貴女程美しくはありません」 「そうですかね?  アタシは綺麗だと思いますよ?」 「有り難う御座います…」 少し照れたヨウニ笑う陽翔 アノ髪色と、ケタ外れの破壊力のセイで 陽翔は散々な過去を背負ってイル "綺麗"と言われたコトなど 数えるホドだと、前に話していた 「で、早速依頼の話なんですけど  ここじゃ難ですし  宿に向かいましょうか」 「…宿?」 「私の仲間もそこにいますから」 オンナ一人が依頼主、 というワケではないラシイ 仲間がイルというコトは 何かの組織のリーダー格、というコトか? 「蓮っ、眼が怖いよっ」 雅に耳打ちをサレテ 無意識に組んでいた腕を解く 「そんな睨まなくても  あの子はたぶん変な子じゃないよ」 「…根拠は」 「勘」 自信満々に言い切った雅に 呆気に取らレテ言葉を失った 確かに雅は 動物的直感は鋭い 宿に着いて オンナに導カレルがままに 部屋に案内サレテ 中はカナリ広い部屋で いわゆるスイートルームのようで 「ここはね  私の父がオーナーなんです」 「…どうりで」 陽翔が納得したヨウニ頷く 「早速、お話良いですか?」 「刻一刻を争う、  という事で御座いますね?」 「えっ  そうなのっ」 「ノンビリした話じゃなさソーダナ」 ソファーに陽翔とオンナが 向かい合って座り 陽翔の隣にイチが座る オレと雅は近くの ダイニングに座る 「依頼内容としては  "雨を取り返して欲しい"と」 「はい  河を挟んだ隣の街に  雨を奪われたんです」 「その根拠は?」 「元はこの国全土に  少ないけど雨は降っていたんです」 ナルホドね… オレと雅は 黙って聞いているダケ こういうコトは 陽翔が一番適役ダカラ オレらは口を挟むコトはしない 「して、その雨が降らなくなったと?」 「この街だけではなく  他の街も雨が  全く降らなくなってしまって…」 単ナル気候の問題ダトカじゃねェのか? 「ひとつのある街以外を除いて、は」 アル街を除いて…? .
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