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さらばあけぼの、春は夜。
午前7時っていうのは、こんなにも真っ暗になる時刻だっただろうか。春眠暁を覚えず─で始まるとある漢詩があるが、まさしくそんな心境だ。
「…ん?」
手元の目覚まし時計を見ると、やはり7時ちょっと過ぎくらい。ただ、その前には『PM』の文字が。
「…あ、午後の7時か。」
と、空の暗い理由(わけ)を理解したところで、オレの腹が鳴った。実はこうやって目を覚ましたのは、とてつもない空腹感を感じたからだった。
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