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そんな財界の名士と言っても過言ではない
倉太刀 宗四郎の血を引いて産まれたのが俺
今年高校二年生になった倉太刀 大和だ。
だからと言って、俺が倉太刀家に相応しい人間とは限らない。
例え幼い頃から帝王学を叩き込まれようが、人には得て不得手というものがあり、残念ながら俺はその後者だった。
それでも親父は俺をどうにか後継ぎにしようと躍起になっていたのだが、今度は手のひらを返したかのように、親父から絶縁宣言を言い渡された。
流石にこれには俺も怒りを通り越して呆れてしまった。
人一人の人生を今まで散々がんじがらめに縛っておいて、今度はもう用はないと突っぱねてきたのだ。
本当に血の繋がった実の親がする事だろうか?
だいたい昔からうちの親父は、
「おい……!」
不意に掛けられた野太い声に、俺は閉じていた目をゆっくりと開いた。
視界の先には、地面に映る自分の影の他に、二人分の人影が見てとれる。
考え事をしていたせいか気配にまったく気が付かなかった。
僅かに緊張しつつも、俺はゆっくりと顔を上げた。
二人だ。 それも屈強そうな男達、もちろん面識はない。
「倉太刀 大和……だな?」
右側にいるスキンヘッドの大柄な男が、さっきと同じ野太い声で言ってきた。
俺の身長が178cm、が、このスキンヘッドの男はそれを更に上回る程にでかい。
2mくらいはありそうだ。
それに首回りの僧帽筋がかなり太い。
肩から背筋にかけての筋肉もかなりありそうだ。 何か格闘技をやっているのは間違いない。
おそらくレスリング、もしくは柔道辺りだろう。
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