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今日の宴会は、道場創立記念によるものだった。
あちらこちらで酔っ払いが発生している。幼い門下生は既に帰していた。
「…なぁ、ヤス。
相談なんだがな……」
近藤が酒を片手に結城の隣に座った。結城は無言で近藤の徳利を取ると、近藤の猪口に注ぐ。
「何?」
「んー…あのな、浪士募集の話があるんだよ。トシには話したんだが……どうだ?」
「え、どうだって言われても…だいたい何の浪士募集なの?」
「京の守護職だ」
また急な話しだ。幕府に仕える…?考えもみなかった。京には見廻組がいると聞いている。見廻組は幕臣で構成されているというじゃないか。浪士でいいのか?
まぁ、試衛館はつわもの揃いで多少有名だが…
宴会もお開きになり、結城は酔いを醒ますため道場の離れの庭先で夜空を眺めた。
上洛……してみるか。
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