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静紅は力無く崩れた。
「え、静紅大丈夫!?」
「…………」
しゃがみ込んだ静紅は吉田の着流しの裾を握って震えていた。
「なんで…泣くの?」
「………」
「としま…ってぅお!?
お前何をっ」
高杉が入ってきた。まさかの部屋の状況に驚く。
涙が流れる目でこちらを見る静紅に、静紅の両肩を掴む吉田。
「稔麿ぉ、駄目だろ女泣かしちゃ。
最低だぞ?嫌われるぞ?」
「……お前からそんな台詞が出てくるなんて思わなかったよ。
静紅、ごめんね?泣かすつもりはなかったんだ。まぁ、新撰組というより一個人に何かあるみたいだけど…うん、今日はもう寝よ」
「…はい」
よくわからない高杉は首を傾げながら忘れた手ぬぐいを取ると部屋を出て行った。
静紅は床についた。
…私は、どうすればいいんだろうか。
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