*Episode・8*

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「忙しないね。俺もそろそろ動くよ、…じゃあね静紅ちゃん」 「あっ……はい」 何か言いたげな静紅だったが、紫折はさっと出て行った。…何故だか今生の別れのような気がしたのだ。 「静紅、今日は会合があるからお留守番しててね。…明日は花菖蒲を観にいこう、まだ咲いてると思う」 吉田は静紅の頭にぽんと手を置き、にっこりと微笑むと部屋を後にした。 …何故だろう。今日は嫌な予感がしてならない。吉田の顔も二度と見れないような気がする。 「私も行きますね。」 「桂さん、皆さんはどちらへ行かれたんですか?」 「んー…。静紅さんは留守を預かって頂ければ結構です。”必ず”帰ってきますよ」 答えなかった。 桂はそれ以上なにも言わずに部屋を出た。 静紅は、たまらず駆け出した。 「桂さん!」 「はい?」 「稔麿さんに約束は守って下さいと伝えてください!!」 「…えぇ、確かに」
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