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一人部屋に残された静紅は、慌ただしく動き回る一階の様子を階段からみた。
この旅籠は、長州ら倒幕派ばかりだろうか?
「吉田さん……どちら……」
「…今夜は………池田屋…」
…会合は池田屋であるらしい。
行ったら怒られるだろうか。でも、もう二度と逢えないなら?
考えれば考えるほど不安が増幅するばかりだった。
「約束守ってください。…だそうですよ」
「守るさ。静紅どうしたの?何を気にしてるんだ?」
「わかりませんが。私は用を済ませてきますから、また後程」
長州藩邸。
休憩がてら藩邸に寄っていた吉田は、茶を啜りながら縁側にいた。
……大丈夫、今日の会合で時代が変わる。世の中が日本が変わるさ。
僕たちの手で。
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