*Episode・8*

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日が西の空へ消えた。 …今日の夕焼けは、とても朱かった。明日はきっと晴れるだろう。 しかし、とても不吉なものを感じる。 静紅は結局部屋から動けずにいた。日が沈んだ西の方を暫くじっとみていた。 「……!」 通りの奥の方からこちらへ向かってくる人だかりが見えた。浅葱色の羽織をはためかせ、あれは……新撰組だ。 どういうことだろうか。 巡察にしてもここらでは見掛けないし、通らないはず。このまま進めば池田屋へ行く。 そうか、新撰組には今日倒幕派が会合することは知られていたんだ。 「やだ……駄目、です!」 新撰組と倒幕派がぶつかる。斬り合いになる。 静紅は独り言にしかならない言葉を口にしながら、慌てた。 …どうする?新撰組を止めるか、池田屋に向かうか。 新撰組一行が近付くにつれて面子がはっきりしてきた。 結城さん…!! 暫く見ない内に何だか痩せた気もする。 ふと、道の真ん中に立つ女がいる。新撰組が通ろうというのにどういうつもりだろうか。 静紅はその女と目が合った。 「( 行きな!)」 静紅は旅籠から飛び出した。
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