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紫折だ。
新撰組の前で倒れ込んだ。古典的な方法だが、確実に新撰組の足を止めた。
「何事だ!?」
「お姉さん、大丈夫ですか?」
「あぁ…堪忍です、目眩がしてしまって。殿方の道を塞いでしまいました」
先頭にいた近藤と沖田が声をかけた。
上目遣いで少しはだけた胸元( 実際は逞しい胸板)が色香を漂わせる。
紫折に気を取られている内に、静紅は池田屋に急いだ。
何故こんなに必死になっているのか、静紅自身もよくわからなかった。
先程みた結城の姿が脳裏をよぎる。
「稔麿さん……!」
先ずはこの後起きるであろう衝突を防がねば。
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