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京を出て数日が経った。
ひらすら江戸を目指す。旅籠を転々として進んでいく。
「静紅、大丈夫か?少し休憩しようか」
「はい……すいません」
とある街を過ぎた外れの方にある、甘味処に立ち寄った。
小高い丘の中腹にあるその店は、のどかな佇まいである。
お茶と串団子を食べながら一息ついた。冬真っ只中であるため、寒さはひとしおであった。
「お茶が暖かくて美味しいです」
「そうだな。…今日はもう少し行くがそこの宿場町で休もう」
江戸まであと少し。
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