*Episode・3*

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「来てない…?」 「結局迷子!!」 呉服屋に戻ったら、先に走って行ったはずの静紅はおらず、店主から着流しを手渡された。 「面倒くせぇな…捜すぞ!!」 結城と沖田と斎藤で静紅の捜索が始まった。 「…呉服屋に着かない……」 迷子の静紅は人混みの中で戸惑っていた。振り返っても結城達の姿も見えないし…。 そんな静紅を目にとめる男が一人。 「あれ、……久那(ヒサナ)? 何故こんなところに…」 男は静紅に走り寄り、手首を掴んだ。 「きゃっ…!」 「久那、どこに行っていたんだよ!!探したんだよ?」 突然腕を引っ張られ静紅は驚いた。しかも、"久那"って誰だ。困惑している間にぐいぐいと引っ張られ、路地裏に入った。 「いやっ、離して!!人違いです、連れがいるので…」 「何言ってるの?君の連れは僕だろ?」 静紅を"久那"と呼ぶ男は、悲しそうな顔をしている。 「君がいなくなって…僕の前から突然消えて……」 「だから人違いですって…!!」 男が今にも抱き着いてきそうな勢いだ。……助けて! 「静紅ッ!!」
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