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「来てない…?」
「結局迷子!!」
呉服屋に戻ったら、先に走って行ったはずの静紅はおらず、店主から着流しを手渡された。
「面倒くせぇな…捜すぞ!!」
結城と沖田と斎藤で静紅の捜索が始まった。
「…呉服屋に着かない……」
迷子の静紅は人混みの中で戸惑っていた。振り返っても結城達の姿も見えないし…。
そんな静紅を目にとめる男が一人。
「あれ、……久那(ヒサナ)?
何故こんなところに…」
男は静紅に走り寄り、手首を掴んだ。
「きゃっ…!」
「久那、どこに行っていたんだよ!!探したんだよ?」
突然腕を引っ張られ静紅は驚いた。しかも、"久那"って誰だ。困惑している間にぐいぐいと引っ張られ、路地裏に入った。
「いやっ、離して!!人違いです、連れがいるので…」
「何言ってるの?君の連れは僕だろ?」
静紅を"久那"と呼ぶ男は、悲しそうな顔をしている。
「君がいなくなって…僕の前から突然消えて……」
「だから人違いですって…!!」
男が今にも抱き着いてきそうな勢いだ。……助けて!
「静紅ッ!!」
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