165人が本棚に入れています
本棚に追加
「何やっている、離せ」
「ッ斎藤さん!!」
「"静紅"?……うわ、君"斎藤一"じゃない」
男は、ぱっと静紅を離し数歩下がった。すかさず静紅は斎藤の元に走った。
「貴様…吉田稔麿!!」
斎藤は背中に静紅を隠し刀に手を添えた。
「居合斬りの達人"斎藤"ね…まぁまぁ落ち着いてよ、今日はずらかるからさ。人違いだったみたいだし、じゃぁね」
吉田は踵を返し街中へ消えて行った。
「は、逃げたか……。何故吉田が…。
静紅さん、もう大丈夫だ」
「ありがと…ございます」
静紅は急に気が抜け身体が震えた。思わず、そっと抱きしめてしまった斎藤。
「心配ない、早く見つけられなくて済まなかった」
最初のコメントを投稿しよう!