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「吉田稔麿ぉ?」
「はい…捕縛し損ねました、申し訳ありませぬ。静紅さんを捕まえていました」
「吉田が通りすがりの女を襲うとは思えねぇし…」
「まさか、間者か?」
帰宅した一行は土方のところへこの一件について報告しに行った。静紅は夕餉の支度に行っている。
「それはないでしょう、結城さん?」
「謎は多いだろ」
不思議な居候生活が始まって間もないが、なんの解決にもなっていない気がする。
まぁ、女中の仕事はよくこなしているように思うが。
「静紅にも聞いてみた方がいいな」
「あぁ…そうしてくれ。
土か、」
「結城。お前が聞くんだよ」
「………」
…静紅係になった覚えはない。
結城はぶつぶつ言いながら執務室を出た。
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