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トントントントン……ザク
「痛ッ!!」
「静紅くん、大丈夫かい!?
あー…これは痛いね。何か考え事していたんだろ?気をつけないとね」
静紅は大根を切りながら物想いにふけり、指を切ってしまった。井上が素早く布を巻いて止血してくれた。
「何か悩み事かな?」
「あ、いえ、すいません」
「謝らなくていいけど…とりあえず、医務室で消毒して貰っておいで」
井上に促され、勝手場を出た。
「最悪……」
「何が?」
「えっ」
医務室に向かう途中、呟いた声に返事が返ってきて驚いた。
「斎藤さん…!!えっと…別に……あ、ちょっと切ってしまって…」
「そうか、それでどこに向かっているんだ?」
「え…医務室に」
「逆方向だぞ」
「………」
斎藤に案内されることになった。
終始無言で医務室に向かう。静紅の心拍数は上がるばかり…。
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