*Episode・3*

8/12
165人が本棚に入れています
本棚に追加
/250ページ
トントントントン……ザク 「痛ッ!!」 「静紅くん、大丈夫かい!? あー…これは痛いね。何か考え事していたんだろ?気をつけないとね」 静紅は大根を切りながら物想いにふけり、指を切ってしまった。井上が素早く布を巻いて止血してくれた。 「何か悩み事かな?」 「あ、いえ、すいません」 「謝らなくていいけど…とりあえず、医務室で消毒して貰っておいで」 井上に促され、勝手場を出た。 「最悪……」 「何が?」 「えっ」 医務室に向かう途中、呟いた声に返事が返ってきて驚いた。 「斎藤さん…!!えっと…別に……あ、ちょっと切ってしまって…」 「そうか、それでどこに向かっているんだ?」 「え…医務室に」 「逆方向だぞ」 「………」 斎藤に案内されることになった。 終始無言で医務室に向かう。静紅の心拍数は上がるばかり…。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!