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「お前、片付けが済んだら俺の部屋へ来てくれるか」
「?…はい」
「あー結城さんが静紅ちゃん誘ってるー。抜け駆けは許しませんよ?」
夕餉の片付けをしているところに結城が現れた。沖田も現れ、結城にちゃちゃを入れる。相変わらず仲が良い(?)。
「馬鹿か、誘うか!!
それにてめぇに許される事じゃねぇし」
「なんか微妙に静紅ちゃんに失礼…」
静紅はとにかく急いで片付けた。
結城にはなんとなく避けられているような気がしていたから…少し嬉しかった。
「静紅です」
「どうぞ」
障子を開けると結城が胡座をかいて座っていた。
静紅は勧められた座布団に座る。
「吉田稔麿を知っているか?」
「はい……?」
吉田…?そういえば、あの男の人を斎藤さんがそう呼んでいた気がする。
「今日お前を襲った奴だ。知り合いではないのか?」
「初めて会いました。
…私何か疑われてます?」
「悪いな。奴は長州藩士で倒幕派…奴らが京で画策しているの阻止・討伐しなきゃならねぇんだ」
結城は難しい顔になった。
…その辺りをうろついているということか。近いうちに動きがあるかもしれないな。
「………」
「結城さん?」
「ん、あぁ悪い。
今日は一人にして悪かったな。怖かったろ」
「え…いえ大丈夫です。斎藤さんが」
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