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「はぁ…」
「辛気臭いですね、貴方らしくないですよ?吉田」
「桂さん……久那に似た女に会ったよ」
「久那?久しぶりに聞く名ですね。突然いなくなって心配していましたけど」
とある宿…吉田は浮かない顔をして夜空を見ていた。
今宵の月は鋭利なほど細い三日月。星は割りとよく見える。
…久那は星が好きだったな。ずっと見ていても飽きないと言っていたっけ。
「稔麿の女のことか?俺、あいつ苦手だ!!何考えてるわかんねぇし、取っ付きにくいし…」
「おかえりー。晋作は、女は基本苦手だろ。久那は仲良くなりたいって言ってたよ?」
「高杉は照れ屋さんですもんね」
「ちげぇ!!」
深夜の雑談は暫く続いた。
久那……君はどこに行ったの?
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