165人が本棚に入れています
本棚に追加
/250ページ
芹沢の近くに座す男が苛立ちを含んだ口調で口を開いた。
近藤がその男に柔らかい口調で返す。
「新見さん、今から話すことだよ。」
壬生浪士組の3人目の局長・新見錦という。何で3人も局長がいるのだろうか。常々不思議である。
…芹沢の金魚の糞が。まさに”虎の威を刈る狐”だ。
「少し前に女中を雇ったんだ。後で挨拶させるよ」
うわ、すげぇ。色々はしょった!!やるな、近藤……。
近藤の対応振りに感心しながら明後日を向いていた結城は、ふと己に視線が集中していることに気づいた。
が、振り返りたくなかったので気付かない振りを決め込もうと、
「結城、連れてこい」
…できなかった。
最初のコメントを投稿しよう!