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「くくっ…女誑しって……」
「おい総司、そろそろ止まらないのか…?」
何故か"女誑し"で名が通っていることに苛立つ結城は、不服そうに沖田を睨んだ。
「俺そんなに遊んでないぞ……土方の間違いだろ」
「………俺がなんだって?」
ちょうど試衛館に着き、入ろうかとしたところで後ろから声がした。
その声に反応して悪びれもなく振り向くと、土方が仁王立ちで立っていた。
「土方、ただいま」
「ただいまじゃねぇよ。
…ったく、遅かったな。なんかあったのか?」
「なに、ごろつきと遊んできただけだよ」
結城は勝手場に荷物を置き、襷を掛けた。
実は結城、料理が得意だ。
「さて……」
「たっだいまー」
藤堂と斎藤が帰ってきた。二人は各々用事があったらしい。
「美味そうだな…」
「おい斎藤…つまみ食いすんなよ、お前ほんと見掛けに寄らないよな」
「いえ、結城さんほどではないです故」
………
総司も斎藤も、どうして俺の周りはこう…
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