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リーン...
「………ッ…」
夢か、現実か。横になっていた結城は上体を起こした。
「久し振りだな…」
やはり己の追うべきは、鈴の女ということか…?
どこのどいつか分からない奴を追っても無意味だろう。目の前にいる奴を大切にするでも良いのではないか?
陽はまだ上がっていない。もうひと眠りしよう。
結城は再び眠りについた。
……伝えたい 早く誤解を解きたい
応えさせて 離さないで
「…また運んでもらった、みたい」
静紅は目を覚ました。
虚ろな目で辺りを見回すと自室だとわかった。…結城はいない。もしかしたら、壁にもたれて寝ているのではないかと思ったが。
「良かった…風邪引いちゃう」
年の瀬の京は寒さを増していた。
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