第一章 冷血上司との出会い

11/11
687人が本棚に入れています
本棚に追加
/394ページ
 梨菜はずっと人とは違うこの特異体質をコンプレックスに思っていた。  大学卒業間近にして就職内定が一つもなかった梨菜をF.S.Iへ迎え入れ、コンプレックスを武器に変えてくれた冷徹な上司に冷たくあしらわれながらも何か報いたいと、梨菜はそう心に誓っていた。 『けど、やっぱり羽村さんは、苦手…って言うよりむしろ嫌いかも、何考えてるかわからないし!』  内心で、小さく悪態づいて梨菜は自室へ向かって歩き出した。
/394ページ

最初のコメントを投稿しよう!