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「今日も和服がお似合いですね」
御園生は業務が終わると、すぐに和服に着替える。
実家は有名な茶道名門一家の家元らしく、そのしなやかな身のこなしも納得がいく純和風男子だ。
「やっぱり和服が落ち着くんだよね…あ、ねぇ、お茶点ててあげるから部屋に来ない?」
「え? いいんですか?」
御園生はにっこり笑うと、梨菜を部屋に促した。
御園生は梨菜が入社してから何かと面倒をみていて、いわば優しいお兄さんのような存在だった。
お互いに異性として意識しているわけでもなく、だからこそ、梨菜は気兼ねなく部屋にも行ったりできるのだった。
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