第九章 蘇る闇

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「やはりそうか……ああ、わかってる。まさかこんなところであの残党と巡り会えるなんてな」  羽村は携帯を片手に煙草の紫煙を燻らせながらF.S.I本社の屋上に一人いた。  夕日も半分傾いて東の空は既に闇がかっている。  緩やかな風が、羽村の中途半端な長い髪を撫でていく。 「もう調べはついている。ああ、私には優秀な部下がついているからな、うまくいけば今夜が大捕物になる。そっちもせいぜい首を洗って待っていろ」  ピッ。という機械音とともに通話を切る。  羽村は、しばらく携帯を握り締めたまま動かなかった。 「ダークドロップ……か」  羽村はポツリと呟いて、踵を返すと携帯をポケットに突っ込んでその場を後にした。
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