第十章 料理に潜むもの

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「颯太ぁ~! 早くスープ出してよぅ! 待ってるんだから」  キッチンの入口で、既に酔っ払った奈智が呂律の回らない舌で注文を急いていた。 「ああ、今、テーブルに持って行かせたから」 「わぁ~本当!? あ、あんた昼間の子だよね? 今日さ、私の誕生日なんだ、一緒にお祝いしてくれない?」  否応なしに梨菜の腕を掴むとホールに引きずり出した。
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