第十章 料理に潜むもの

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「ハッピーバースデー奈智!」 「おめでとー」 『な、なんで私がこの集団に……』  クラブに来るにはまだ幼いような男女数人に梨菜は囲まれていた。 「ねぇねぇ、この人誰?」 「あ、あの森山梨菜といいます」  本名を名乗ってうっかりしたと思った。  インスペクターである以上は関係者にあまり名前を知られないようにすることになっているのを思い出した。
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