第十章 料理に潜むもの

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 梨菜の目の前には数人でよそって食べられるように大きな火鍋に入っているスープを見て梨菜はハッした。  先日食べたあのスープだった。 「こ、これは……」 「ん~、これね、颯太が作ってくれたんだよ! 滅多にお店で出さない特別のスープなんだよ、だからSPスープっていうの」  奈智は得意げにスープの説明をしている。  ホールに出て、改めて周りを見回してみたが、何組かの客も同じようなスープに群がって騒いでいる。
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