687人が本棚に入れています
本棚に追加
「これねー上川さん直伝なんだって! 梨菜も食べなよ」
「う、うん」
もう一度、あのスープが食せるチャンスが来るとは思わなかった。
もしかしたらこれが最後の機会かもしれない。
これで、分からなければ……自分は―――。
嫌な汗を背中に感じながら、梨菜はスープを一口飲んだ。
「……っ!?」
「どう? 美味しいでしょ~あはは」
手元からスプーンを落としそうになって、梨菜は指先に慌てて力を入れた。
『これは何? もしかして、まさか…規制対象の食材?』
先日、高坂にもらった時は、味が若干薄めだったせいで舌が反応しなかったに違いない。
今までわからなかったたった一つのもの、それは明らかに梨菜の舌を刺激してその名前を告げた。
最初のコメントを投稿しよう!