687人が本棚に入れています
本棚に追加
「前から聞こうかと思ってたんだけど、お前……本当は何者?」
「え?」
「隠すなよ、お前のこと、上川さんや溝口さんもなんとなく疑ってる」
梨菜はその言葉に呆然となった。
自分の身元が割れてしまったのだろうか? と一瞬思ったが、そんな素振りは一度もも見せたつもりはない。
「上川さんのこと、あんまり嗅ぎ回らない方がいい……やばいバックがついてるって噂だから」
高坂の視線が剣呑に泳ぎだす。
こういう時は、自分の中にも迷いが生じている証拠だ。
梨菜はその崩れそうな心理状態を突くなら今しかないと思った。
最初のコメントを投稿しよう!