第十一章 地下倉庫の秘密

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 階段を下ると、そこは湿気とカビ臭さ充満していて、思わず手で口を抑えた。  薄暗くて足元がおぼつかない。  視界が徐々に鮮明になってくると、棚いっぱいにビンが所狭しと並んでいるのが見えた。 『これは、何? まさか、これが……マジックマッシュルーム?』  梨菜はビンを手にとって中を覗くと、いかがわしい茸のようなものが入っている。  マジックマッシュルームは種類があり、梨菜も本で昔読んだことがあったので知識はあったが、生身で見るのは初めてだった。  隅には袋に乾燥したものが詰め込んである。  その横には粉末にするための器具やらが無造作に置かれている。 『ここで、栽培してるのね……羽村さんにデータを送らないと』  梨菜は携帯のカメラ機能を立ち上げて、写真を撮っていった。
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