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階段を下ると、そこは湿気とカビ臭さ充満していて、思わず手で口を抑えた。
薄暗くて足元がおぼつかない。
視界が徐々に鮮明になってくると、棚いっぱいにビンが所狭しと並んでいるのが見えた。
『これは、何? まさか、これが……マジックマッシュルーム?』
梨菜はビンを手にとって中を覗くと、いかがわしい茸のようなものが入っている。
マジックマッシュルームは種類があり、梨菜も本で昔読んだことがあったので知識はあったが、生身で見るのは初めてだった。
隅には袋に乾燥したものが詰め込んである。
その横には粉末にするための器具やらが無造作に置かれている。
『ここで、栽培してるのね……羽村さんにデータを送らないと』
梨菜は携帯のカメラ機能を立ち上げて、写真を撮っていった。
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