第十一章 地下倉庫の秘密

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「ちょっと悪戯が過ぎるんじゃないかい? インスペクターさん」 「ッ!?」  梨菜は目的を果たすことに気を取られて、近づく気配に全く気づかなかった。  見ると、上川と溝口が階段への出入り口を塞ぐように立ちはだかっていた。 「君、やっぱり監査員だったか、どうりでおかしいと思ったんだよな」 「え?」 「手際はまるで初心者並み、けれど、食の知識はプロ並み、いやそれ以上だ。そんなの料理人て言われてもおかしすぎだろ?」  溝口の指摘に梨菜は押し黙る。  動揺しながらも梨菜はデータを送信しようと手元だけ悟られないように動かしていると、上川に手首を蹴り上げられた。
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