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「ちょっと悪戯が過ぎるんじゃないかい? インスペクターさん」
「ッ!?」
梨菜は目的を果たすことに気を取られて、近づく気配に全く気づかなかった。
見ると、上川と溝口が階段への出入り口を塞ぐように立ちはだかっていた。
「君、やっぱり監査員だったか、どうりでおかしいと思ったんだよな」
「え?」
「手際はまるで初心者並み、けれど、食の知識はプロ並み、いやそれ以上だ。そんなの料理人て言われてもおかしすぎだろ?」
溝口の指摘に梨菜は押し黙る。
動揺しながらも梨菜はデータを送信しようと手元だけ悟られないように動かしていると、上川に手首を蹴り上げられた。
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