好き

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ようやく社長室に戻り、ふぅっと気が抜けた。 時計を見ると、針は午後2時半を指している。 「ちょっと早いけど…コーヒーとお茶菓子お持ちしましょうか?」 私にしては気が利いてることを言ったなぁ、なんて思った。 「あぁ、貰う」 社長は首をコキコキいわせながら社長室に入っていく。 私は秘書室横の給湯室へ。 「あ」 社長は部屋に入りきる直前体を反転させて、私を見た。 私も何だろう、と社長を見る。 目が合うと、社長はニヤリと笑って言った。 「好きだよ」 そして一拍置いて。 「お前の淹れるコーヒー」 「もーっ!からかわないで下さいっ!!」 ジタバタしてみたけど、社長はそそくさと自分の部屋に入ってしまって、私は真っ赤な顔のまま取り残された。 .
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